故郷に帰る
前からずっと思っていることがあります。
キリスト教では失楽園といって、人間はエデンという美しい土地から追われて苦労の多い地上をさまよっているということになっています。エデンであっても、もっとアイルランドやパレスチナなど現実的な父祖の地であっても、また自分という個体の出身地であっても、故郷というものは人間の心に対して、とても大きな力を持っているのではないでしょうか。
各宗教、思想にある楽園もその故郷に含めるならば、約束の地の力とでも言ったらいいのでしょうか?私がかつて勉強していた日本文学、その源泉となった中国文学にも桃源郷だの、仙界だのといった理想郷が欠かせません。音楽に疎い私が考えつく範囲で、国民楽派や、ロマニーの歌の哀切な調べ、昨日のN響アワーで放送していたタンホイザーの望郷のメロディ、どれも人の心を動かして止みません。かくいう私もどこか違うところに故郷があるらしく(もと神奈川県民ですが)、そういった約束の地ものに弱いわけです。そこで
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いろいろな種類の泉と歴史が組み合わせて語られていますが、ローマの歴史に知識が浅いせいかあまり頭に入りません(頭がタンゴ漬けなせいかも)思ったのは、ローマの泉というと有名だけど、意外に地味かなぁと。規模は大きいのですが、寓意性が強すぎて今ひとつこころに訴えかけない気がします。好みの問題ですが。
楽園のデザインは、イスラム建築の水使いについて詳細に解説されています。理解するのはやはり難しいですが、その庭園の平面図や描写、図版写真を見ているとその洗練と壮麗さにうっとりします。アルハンブラ宮殿とか行ってみたいなぁ。
で、アルゼンチンタンゴも貧困の中で起こった望郷の音楽なのだそうです。それが言いたかったわけ。